Column of 倉澤智建築事務所HP

仕事の進め方

弊社の仕事の進め方は、大きく

0)面談
1)調査、企画業務
2)基本設計
3)実施設計
4)確認申請
5)工事監理
6)竣工、引き渡し

という流れとなっております。

0)初回のご相談(無料)
はじめに、直接お会いし、どのような計画、ご要望があるのかお伺いいたします。その際、弊社の設計事例などをお見せしながら、建築を設計していく上での考えなどを説明させていただきます。

1)初回のご相談の結果、弊社に調査、企画業務をお願いしたいというご要望があれば、(社)日本建築家協会(JIA)の建築設計・監理業務委託契約書の調査・企画業務委託契約を行った後、住宅の事例では、

A.平面図、立面図、断面図(1/100)、設計概要のプレゼンテーション

B.上記に加え、スタディ模型(1/100)を作成する場合のプレゼンテーション

を選択いただきます。Aの場合、10万円、Bの場合、15万円で承ります。(こちらの料金は、設計監理料に含まれませんので、あらかじめご了承ください。)プレゼンテーションは、およそ2〜3週間で作成いたします。

2)1)で提案させていただいたプレゼンテーションがお気に入りいただき、弊社に設計監理を依頼したいと判断いただいた場合は、(社)日本建築家協会(JIA)の建築設計・監理業務委託契約書に基づき、契約を行った後、基本設計に移行していきます。

3)基本設計では、プレンゼンテーションで作成しました提案をベースとして、新たに再検討を行い、プラン、立面、断面、詳細について実施設計ができるまでの案につめていきます。この段階で、仕上げなど詳細について検討を行います。(期間はおよそ3〜4ヶ月)

4)基本設計が決定した時点で、次に実施設計に移行していきます。実施設計を始める前に、この時点で、2〜3社施工業者を候補にあげ、基本設計をベースにした概算見積もりを施工業者に依頼いたします。作成された概算を参照しながら、予算よりオーバーしている場合には、実施設計の段階でデザインを調整しながら設計作業を進めていきます。実施設計を進めながら、打合せは継続しながら、ご希望の変更も考慮し、実施図面の作成を進めていきます。(期間はおよそ2ヶ月〜2.5ヶ月)




5)実施設計が完了した後、基本設計時に選定しました施工会社に見積もりを発注し、予算の比較を行います。基本設計時概算見積もりで、予算をかなり上回る高額な概算を行った施工会社は、この時点で他の施工会社を選定しなおすことも検討します。

6)実施設計と予算の調整を行った後、お客様とご相談の上、施工会社を決定いたします。提出された金額で選定するのか、あるいは、施工会社の実績、相性のようなものを重視するのか、お客様とご相談の上決定していきます。

7)建築審査機関に提出する建築確認申請書を準備し、提出いたします。

8)確認審査の期間中、最終的な打合せをお客様、弊社、施工会社と進めていきます。

9)確認審査がおりた後、施工会社との契約を行い、建築工事の着工を迎えます。その後、弊社は施工監理、及び中間検査、完了検査といった建築基準法上に必要な業務を行い、竣工、引き渡しまで責任をもって仕事にのぞみます。

設計監理料について

弊社では、設計監理料をその建築の延べ床面積(大きさ)に対応して決定しています。

弊社では、延べ床面積を次のように定めています。延べ床面積は、建築面積に含まれるすべての床面積の各階の合計であり、駐車場など、建築基準法上面積が緩和される部分を含みます。バルコニーや屋上がある場合は、その面積の1/2を加算します。(建築基準法上の延べ面積とは異なりますので、ご了承ください。)

大きさによって設計監理料を決定する理由は、工費に対するパーセンテージで設計監理料を決定するという一般的な方法では、同じ延べ面積の住宅でありながら、工費によって、設計監理料に上下が生じるということ、さらに、お客様が単に仕様を高額なものに選択しなおしただけで、設計料が上がってしまうという矛盾があります。こうした矛盾を解消するため、大きさによって設計監理料を決定する方針を採用しています。

大きさによって設計監理料を決定するため、かなり初期の段階で、設計監理料をお客様が想定できるというメリットもあります。

但し、小さい建築でありながら、特殊な工法や設計を要する建築、杭工事を必要とする建築などで、設計監理料を換算した場合、総工費の8%を下回るような金額になった場合につきましては、最低設計監理料としまして、総工費の8%とさせていただいております。

弊社の設計監理料には、構造設計料が含まれています。弊社では、木造の平屋であっても構造計算を行います。

下に、2016年度における住居(住宅、集合住宅)の設計監理料の詳細を掲載しておりますので、クリックしてご覧ください。

*インテリアデザイン、リノべーションデザイン(保存活用デザイン)、ファニチャーデザイン、及びその他プロダクトデザインにつきましては、別途設計監理料を設けておりますので、お問い合わせください。

設計監理料2016.PDF

建築に関する考え

1)世界の建築を見学することから

わたしは、大学を卒業後、沖縄の建築家、末吉栄三さんの事務所に就職しました。ちょうど、私が大学4年のときに、末吉さんの設計された馬天小学校という沖縄の仕事をみて、何か全く異なる文化圏の建築にひかれたことがきっかけでした。

それは、思いがけない次への行動を呼び起こすことになりました。ちょうど就職して働きはじめた矢先に、沖縄の建築家、山田正永さんが世界旅行を計画されているということで、仕事が忙しくなかったこともあり、末吉さんに山田さんと建築をみてまわったらどうかと勧められたのです。わたしはすぐに同意して、出発までの2ヶ月あまりの間に、旅する国、見学する建築の資料を集めることに専心しました。幸い、末吉さんをはじめ、そのOB、OGの方々の協力もあり、資料をコーピーさせていただき、短時間で旅支度が整うことになります。

そして、台湾、タイを経由しながら、イギリスへ飛び、そこからほとんどを陸路(および船路)でヨーロッパ、北アフリカ、中東を経てインドまで旅するという経験をつみました。このときに見学した建築、都市がわたしにとって建築をはじめるための財産となっています。

2)建築には歴史がある

世界中の建築や都市を見学しながら、多種多様な建築の経験をしてきましたが、建築には膨大な歴史の蓄積があります。特に、現代において建築を設計、デザインするときには、日本の建築文化を知ることだけでは不足し、少なくとも19世紀から20世紀にかけての近代建築の歴史を頭にいれておくことが必要です。わたしは、先に述べた旅の経験のなかで、主要な近代建築を見学し、学習してきました。その成果をわたしが設計する建築に反映させたいと考えています。

3)お客様の考え

住宅のような建築を設計する場合には、特にお客様のご要望は大変重要であると思います。建築を専門とするわたしのようなものには思いもつかないような柔軟な考えをお持ちの方も数多くいらっしゃいます。わたしはそうした考えを取り入れて建築を設計、デザインしたいと思っています。しかし、一方で、お客様には、頭を白紙の状態にもどしていただくことも必要であると思っています。建築を設計するということは多くの可能性を秘めています。最初に抱いイメージに固執するあまり、その可能性を閉じてしまうこともあるからです。わたしはお客様のご要望とわたしの発想を交換しながら、柔軟に対応し、最初の発想からは想像もつかなかったような建築をデザインしていきたいと考えています。





4)建築のコンセプトを明快に表現する

わたしはお客様のご要望をお聞きした上で、そのお客様の考えを、明快な建築のコンセプトに再構成しなおし、建築を設計したいと考えています。お客様のご要望は数多く、それぞれ相互に矛盾するようなご要望もあります。それらを整理しながら、建築として無理のないプラン、かたちにデザインしていくことがわたしたち建築家が取り組まなければならない、最も重要な責務であると考えています。

5)建築は個人の財産でありながら、都市の財産でもある

住宅は個人の建築であり、財産ですが、その建築が表現されるのは都市の中においてであり、その建築は多くの人々の目にさらされる財産となります。わたしはその住宅が個人のものという領域を超えて、その都市の中でなんらかの機能を果たすべきものであると考えます。たとえば、住宅に花があふれていれば、その美しさ、豊かさは近隣の方々に影響をあたえるはずです。一つの建築を建設することで、その建築が都市を豊かにでき、近隣によい影響を与えるという可能性を常に意識しながら建築をつくりたいと思っています。

6)時間をデザインする

たとえば、若いときに買った洋服は、ある年齢になってしまうと似合わないということがあるはずです。しかし、建築に限って言えば、若いときに住宅をつくっても、その住宅に一生涯暮らすことができる、普遍性のある空間を設計しなければならないと思います。確かに、建築に流行のようなものはあります。流行する素材もあります。そうしたものを使うことはためらいませんが、それをどのようにデザインしていくのかがわれわれに問われることになります。流行のままにデザインするのではなく、普遍的な解答になるようにデザインしていかなければなりません。また、建築が時間とともに変化できるような可変性、流動性を建築の中に組み込んでおくことが必要であり、そうすることによって、時間とともに深化していく建築が実現できると考えます。

7)最後に、日常を豊かにするために

人は誰も何気ない日常が最も大切なものです。その日常を楽しみ、いつもの日常を迎えることができる空間、それが住宅であり、建築です。家族との会話や食事を楽しんだり、音楽を聴いたり、映画を観たり、家族のいない方にとっては、一人の時間を充実させるための空間であり、人を包み込む空間が建築です。日常こそ大切なのであり、日常をしっかりと支えることが建築に求められます。建築家の責務は、日常を豊かにするための建築を確実に実現していくことにある、と考えます。